野性味を増した自分


税金の納付だが、とにかくわずらわしい。税務署はいつでも私を付け狙っているような、そんな被害妄想を持ってしまう。税務署はハンターだ。私はそんなハンターから逃げ回る、かわいそうなタヌキだ。

いや、違う。自分はもっと野性味を持った狼なのだ。執拗なハンターの攻撃から、身をかわす老練な狼なのだ。

この数年は、金欠という弾丸がよく飛んでくる。私のような老練な狼は、最初は慌てふためいていたが、徐々に落ち着きを取り戻してきた。金欠という弾丸は我が身をかすめる。時には、手足を撃たれて血を流すこともあった。しかし、今までは心臓や脳という中心部を負傷することはなかった。そのうちに、私は経験を積んできたのだ。

数年前までは、家畜のような自分であった。無駄に脂肪がついて動きが散漫であった。しかし、金欠という弾丸の飛び交う中で生き残ってゆくうちに、身が締まり筋肉質になった。嗅覚が発達して、目の輝きも鋭くなった。そう、野性味が出てきたのだ。ウオーン

JOhaza / Pixabay

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