京都のアパートを明け渡す。

昨日はとても忙しい日であった。まだ荷物が残っている。しかし、13時にはアパートを明け渡さなければならない。荷物を全部車に積んで、部屋の中の掃除をしなければならない。

その前の日は長男は夜遅く帰ってきた。どうやら、卒業式の後、友達と夜遅くまでお酒を飲んで語らっていたようだ。名残を惜しんでいたようだ。疲れてまだ寝ているので、その部屋の片付けはできない。

リビングや洗面所あたりから掃除や片付けを始めた。そのうちに腹が減ってきたので、近所の喫茶店でモーニングサービスを食べることにして、家内と二人で行く。長男には、もしも腹が減っているようならば、あとでその喫茶店に来るようにと声をかけて、外に行く。

この喫茶店は Clover という名前で人気がある。二階は広々として、贅沢な作りで、また比較的に廉価でおいしいモーニングが取れる。

喫茶店のベランダ、向こうの茶色の建物はかって母親がお世話になったことがある老人ホーム

そのうちに、長男がやってきた。やはり、腹が減っては寝ていても仕方ないというようだ。長男はサンドウイッチを注文する。ここのサンドウイッチは大変な量があり、若い人向けである。年寄りは食べきれない量だ。

家に戻り、再度片付けをする。10時半ごろにガスの業者が来る。元栓を閉める。ガスコンロを引き取ってもらう。引き取り代は1,080円だ。ガスコンロの取り除いたあとは油で汚れている。洗剤をかけて拭いてみたが、長年の汚れはなかなかな取れない。それでも少しは綺麗になったか。

次に電気の業者が来て点検していった。「退出の際にはブレーカーを上げるように」との指示であった。

荷物は全部は車に入らない。それで、近くの宅急便のセンターがあるので、そこまで６つの箱と一つのスーツケースを持って行って、送ってもらうことにした。一つの箱で1,200円ぐらいだ。合計で7,000円ぐらいだったな。

さて、不動産業者が来て点検していった。鍵と備品の取扱説明書を渡す。業者は丁寧に点検していった。２箇所、問題点を指摘された。洗面所の照明のカバーが取れている（以前、割れたので、捨ててしまったのだ）。それから、洗濯機の排水溝にはめるパイプがない、とのことだ。これらは敷金から引かれて返金になるのであろう。長年、使って部屋も汚れていたので、敷金はあまり戻ってこないかもしれないとは覚悟している。

さて、昼飯は近くの「王将」という中華料理屋で３人で食べる。長男はラーメンにチャーハンとかなりの量を注文する。若い人の食欲はすごいなと感心する。

そして、長男は今日は友人宅にとまり、27日に東京に向かうそうだ。家内と私はこれから岐阜に向かう。長年、お世話になった京都の町ともお別れだ。なんだか、センチメンタルな気持ちになる。

最大の思い出は、やはり子供達の成長である。子供達が小学生の時にこの地に来て、いまや大学生だ。いろいろなことがあった。走馬灯のように思い出が巡る。そして、家内と私は10年ほど年をとったのだ。

車は荷物を目一杯積んだので、バックミラーでは後ろが見えない。サイドミラーだけを使ってヒヤヒヤしながら高速をゆっくりと走った。そして夕方に岐阜の家に着く。

郵便物が届いていた。一つは私の介護保険被保険証だ。自分は65歳以上の年寄りだ。介護保険を受けられるのだ。もう一つは昔の勤務校の卒業パーティの写真と色紙だ。助手さんが手配してくれたようだ。後程、助手さんとゼミ生にはお礼を言わなければと思う。

様々な出来事があった京都の地に別れを告げて、新しい人生の舞台が幕上げとなるのだ。