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今日の「地域研究」の授業だが、一人の学生が一宮市の喫茶店文化について発表してくれた。それによると、喫茶店が提供する朝のモーニングサービスは一宮市が発祥の地である。その学生は喫茶店で現在まで1年半ほどアルバイトをしていていろいろな知識をため込んだ。
一宮市は昔は繊維で栄えた町である。繊維の卸しの関係者達が朝早くから喫茶店で商談をしていた。その時にコーヒーに豆を添えたらそれが好評で、それから発展してモーニングサービスになったのだ。一宮市で始まったモーニングサービスが全国に広まったのである。
発表した学生がアルバイトしている喫茶店のモーニングサービスは税込みで400円である。その写真を見せてもらったが、驚くほど中身は豊富である。でも、ほとんど利益が出ない値段設定であるそうだ。なじみの客にきてもらい、そしてランチの時も来てもらう。ランチは850円である。朝、昼、夕方とお客さんを招いてトータルで利益が出るような値段設定である。
その店は、店内を展示場としても利用している。お客さんが絵画の展示場としても利用しているそうだ。現在は、干支の彫刻を展示している。一体が5万円という値段だが、それでも自分の干支は気に入って購入するお客さんもいるそうだ。喫茶店とだけ機能するのではなくて、美術品の展示場にもなっているというのは面白いアイデアだ。
観葉植物も置いてあるが、これはリース契約だそうだ。業者が定期的にきて観葉植物に水をやったりと手入れをしている。そして、定期的に差し替えるので、店の人はまったくノータッチでいいのだ。
掃除はアルバイト達がおこなうが、月に一回は業者がきてワックスかけなどして綺麗にする。とにかく喫茶店一つを経営するにもさまざまな業者と関わることになり、大変なことのようだ。
なお、学生のアルバイトしている通りにはその他にも10店ほど喫茶店があり、モーニングサービスを提供している。だいたい値段は400 円ぐらいで同じであるが、時には350円で提供している店もある。どうも、日本中、どこでも生存競争は激しい。お客さんの傾向として、10店をいろいろ回って楽しむよりも、自分の気に入った店を決めて常連となってその店だけになじみとなる人が多いそうだ。たしかに、人間はいつも顔なじみの人と会うと安心するのだ。
今日の学生の発表は自分の知らないことを教えてもらったので有益であった。来週の学生の発表も期待したい。
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