石川県に戻って病院に見舞いに行く。

金曜日、土曜日と石川県に戻っていた。家内の姉が放射線治療を受けているので、家内と一緒に見舞いに病院に行ってきたのだ。家内の姉、つまり義姉は思ったより元気そうで何よりだった。ちょっと痩せたかもしれない。癌にかかったのが分かったのは5年ほど前か。それから、化学療法とか放射線療法とかうけてきた。いったん元気になったように見えても、精密検査をうけると腫瘍マーカーが大きくなっているとのことで、再度入院して治療を受けている。数年前に手術して患部を切り取ったのであるが、それでも、しばらくすると大きくなってくるようだ。若い人ならば、癌が急激な勢いで増大するが、義姉は老女なので癌の増え方はゆるやかだ。でも年齢のせいで基本的な体力がないので、回復は遅いのか。現代医学のおかげでまだ生きているとも言える。癌なんて、昔は、治療法はないと言われていたのだが。

義姉は仕事を持っている。体力勝負の仕事だ。こんな年齢になってまだ働いているなんて同情するが、年金が少ないのでどうしても働かざるを得ないのだ。「老人と金」という問題は大問題である。老後の苦しさも金があれば何とかなる。金さえあれば、親戚友人が寄ってきて、ちやほやしてくれる。義姉は金がないので、見舞いに来るのは我々だけかもしれない。

その日は、いい天気だった。石川県の夏は素晴らしい。緑あふれる場所だ。若い人は人との触れあいがほしくて大都会へ行くが、老人達が人生の最期を迎えるには田舎に戻るのがいいのだ。

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