篆刻の授業の通訳をした。

今日は2コマほど、篆刻の授業の通訳をした。篆刻の授業の担当者は中国からの先生である。先生は半年ほどの予定で、この学校で教える。日本語に慣れるまで、英語の教員が交代で通訳をする。

篆刻は、やはり中国が本場のようで、いろいろな流派があるそうだ。でも日本も盛んである。熱心に学ぶ学生も多い。

今日は授業の後で、雑談をした。そこで得た知識を若干述べてみたい。

日本では銀行印や契約の印として、印鑑が広く使われている。しかし、中国では実用に使うのは、すたれたそうだ。中国では自分であることを証明するのは身分証明書である。常に持参する必要がある。身分証明書を見せて銀行で銀行カードをつくってもらう。お金をおろすのは、もっぱらその銀行カードを使うのだ。この辺りは日本と同じである。しかし、中国では身分証明書が全員に発行されて、常に携帯する必要がある。

契約書を作成するために、日本では印鑑を押す。時には実印を押す。でも中国ではサインだけだそうだ。それならば、どのような時に印鑑が使われるかと聞くと、芸術的な作品などは印鑑が使われるそうだ。書画などは落款として印鑑が押される。むしろ印鑑が押されていないと、何か不自然と感じられるそうだ。

学生は今日までの授業は手本を見ながら石に名前を書き込む作業だった(鏡で反転させながら、書いていく。つまり印鑑は反対に彫らねばらならない)。来週からはいよいよ彫刻刀みたいなナイフ(印刀)で彫るようだ。学生たちの印刀を見せてもらったが、ナイフというよりもやすりみたいである。

印は彫り方によって、朱文と白文に分けられるそうだ。文字が朱で表れる印を朱文、文字が白抜きになるのを白文というそうだ。文字が白抜きになる方が彫りやすい。つまり、文字を書いてそこを掘り来ればいいのだから(凹型に彫る)やさしい。凸型にするのは、周りを掘っていくので難しくなる。

凝った印鑑だとある文字は朱文にして、ある文字は白文にするそうだ。そんな文字で彫られた印鑑を持っていれば、運気もあがり、持ち主には大金が転がり込むかもしれない。

photo credit: imperialroom jade_seal_script via photopin (license)

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