修士論文の発表会が行われた。鵜飼いに関する発表だ。


本日は修士論文の発表会が行われた。長良川で行われる鵜飼いを観光資源として見た場合、その言説はどうなっているのか、という内容であった。発表はSさんである。私の知らないことを多く知ることができ、飽きることなく聞くことができた。

岐阜県は鵜飼いで有名である。鵜飼い自体の研究は盛んであるが、それを観光資源と見なして、それに関する言説に注目した研究は希である。言説となると、鵜飼いに関連する文献はすべて網羅することになるが、ここでは観光ガイドを主に取り上げている。

なお、鵜飼いの研究となると岐阜県は最高の場所である。間近で実際の鵜飼いの様子を見ることが出来る。さらには鵜飼いの博物館もある。文献も図書館に沢山そろっている。

Sさんは鵜飼いに関する内外のパンフレットを広く集め、それをいくつかの時代に分類してある。第2次大戦前、大戦後、現代という区分である。その当時観光されたガイドブックが鵜飼いをどのように説明しているか、細かく分析してある。

つい最近の外国のガイドブックには、鵜飼いは、「野蛮」で「残酷」であるという言説も見られるそうだ。このあたりは、日本人にはなかなか気づかない視点だが、そのように捉える外国人もいるという点は興味深い。

鵜飼いについての修士論文の発表

私自身は一回だけ鵜飼いの船に乗って見物したことがある。鵜匠さんの手綱さばきは見事だと感心した。本当は私も鵜匠の体験をしてみたいが、ちょっと歳を取り過ぎているな。なお、この世界は厳しい世襲制で外国人や女性の鵜匠さんはほとんどいない。鵜匠の世界は代々男の子が世襲していくので、鵜匠さんの奥さんの発した「男の子が生まれたときはホッとした」という言葉を思い出した。

私自身も鵜飼いを見物ではなくて、鵜匠として体験したいので、もう鵜匠への道がもう少し開かれていてもいいのではと思った。

そんなことで、とにかく、Sさんの発表ご苦労様でした。明日からはまた新しい研究へと進めて下さい。

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