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点鬼簿という言葉がある。辞書を引くと、「死者の姓名を書き記した帳面。過去帳」とある。「鬼籍」という言葉も関連するそうだ。
「すべてのビジネスパーソンのためのWebマガジン」によれば次のように書いてある。
「鬼録」は「きろく」と読み、「点鬼簿(てんきぼ)」ともいわれています。閻魔大王が「鬼」つまり死者の名前を鬼録したもので、「鬼籍」と同じ意味を持つ言葉です。したがって「鬼録」と「鬼籍」は、お互いに言い替えとして用いることができます。https://biz.trans-suite.jp/22565
私は現在は70歳である。自分よりも年長の親戚のほとんどは鬼籍に入ってしまった。自分よりも数年ほど年上でお世話になっていた叔父さんも昨年なくなった。自分よりも年長の親戚や知人はほとんどいなくなった。それどころか、年下の人でさえも鬼籍に入ったとの報告を受けるようになった。
毎年もらっていた年賀状がふと来なくなり、どうしたのかと思っていると、しばらくすると息子さんや奥様から葉書が来る。「父が(夫が)生前、大変お世話になりました。故人は○○日に急逝いたしました」というような連絡をもらうことも増えてきた。
死ぬとどうなるのか。今までの日常がすべて消え去り、それからは永遠の無が続く、と思うと不思議な気がする。戦争中の神風特隊隊の隊員たちのことを考える。20歳前後無という無という恐怖と向きあった人々がいたのだ。何となく恐ろしい。戦争の不条理が恐ろしい。
自分は幸いにも70歳まで何とか到達できた。平和な時代であり、静かに暮らしてきた。そんな日々はあとどれくらい残っているのか。人生の残り時間をどのように有意義に過ごすか、うーん誰も答えを持っていないだろう。
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