北方謙三が第64回菊池寛賞を受ける。

昨日は会議もなく早く終わったので、早々に帰宅する。なぜか途中で本屋に立ち寄ってみる。10月9日に北方謙三の『水滸伝1』を読んで、まあまあの面白さだったので、2巻以降が売っていれば買ってもいいかなと思ったのだ。

本屋に行くと、中古品のコーナーで見つけた。値段は350円である。パラパラ眺めてみる。迷ったが結局は購入しなかった。19巻の長いシリーズであるが、どうも同じような内容ばかりだと感じたのである。

悪玉と善玉が出てきて戦う。最初は悪玉が優勢だが、最後には善玉が勝つ。勧善懲悪の物語なのだ。登場人物は変わるが、あらすじは同じである。ただ、読みやすいのは間違いない。

そしてアパートに戻り、ニュースを見ていたら、北方謙三が『大水滸伝』という小説で菊池寛賞を受賞したとある。副賞で100万円もらえるらしい。この『大水滸伝』は『水滸伝』そのあとの『楊令伝』『岳飛伝』をまとめた本で全51巻だそうだ。

読んでもいいが、結構長いシリーズだなと思う。読むのに膨大は時間がかかるのであるから、ましてや書き手は大変だ。これらを全部書き上げるのに筆者は17年をかけたそうだ。そんな作者の思いは自分には重く感じられ、まだ読む時期ではないかなと思ったりする。作者は全共闘世代で、登場人物はカストロと重ね合わされるそうだ。

先日、学校の図書館で水滸伝の原典の翻訳を見つけて眺めてみた。あらすじはかなり異なる。この本もおもしろそうだ(ただ、字が細かいので老眼の自分にはきつい)。元々は民間の説話を寄せ集めたもので、原典は内容は首尾一貫しない。それを北方謙三はあらすじが首尾一貫するようにして、彼の思想性が貫くように書き直したのだ。

吉川英治や駒田信二も書いているそうだし、横山光輝の漫画もあるそうだ。しかし、自分には他に読みたい本もあることだし、とりあえず、将来読むべき本として、今は購入はしないでおこう。

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