今日は朝から『ちはやふる 下の句』を見ている。DVDを借りたけれども、はじめに、たくさんの宣伝の画面(予告編)が出てくるので驚いた。昔はこんなにたくさんの宣伝は付いてなかった。
宣伝部分をスキップした。ようやく、話が始まる。そして全部を見終わる。さて、感想だが、「上の句」編はけっこう新鮮で面白かったけれでも、「下の句」編は少々だれたかな、と感じた。つまり「上の句」編は高い評価をつけたいが、「下の句」編はそれほど高い評価にはならないと思う。
「上の句」編は、百人一首に打ち込む女の子が主人公、という舞台設定が自分には初めてで、とても新鮮に思えた。また、
千早(ちはや)ぶる 神代(かみよ)もきかず 龍田川(たつたがは)からくれなゐに 水くくるとは
という有名な句が「自然の描写ではなくて、相手を強く思う恋の歌である」という解釈など新鮮に思えたのであった。在原業平を思うお妃さまの恋心が川いっぱいになった紅葉のように赤色で強いものだという解釈だ。そして、主人公のチハヤと4名の仲間たちの友情も面白かった。高校の部活動仲間が大会での優勝を目指して団結していく姿など好感を持って見ることができた。
今回見た「下の句」編は、基本的には前編の延長であった。何か大きな展開が出てきたわけではない。クイーンと称される新しい登場人物が波乱を巻き起こすかと思ったが、彼女は脇役的な位置であった。
まとめると、前編と後編とも、チハヤの恋人的兼友人的な仲間であるアラタとタイチとの微妙な三角関係に、プラスして、他の3名のカルタ部の仲間たちとの、友情と団結の物語である。それに、日本伝統の着物姿や寺院がスクリーンに描かれて、ユニークな華やかな映画になっている。
自分としては、ただ、「下の句」編は、期待したほどの大きなドラマの展開はなくて、前編の単なる延長に過ぎない点が不満ということだ。でも、アラタの故郷が石川県のようで、人々の話す訛りや家の造りや食事の模様が懐かしい。その点は良かった。
高校生の男女間の友情(あるいは淡い恋心)を描いているのはいいと思う。ドロドロした三角関係でも描かれていたら白けるかもしれない。
でも、この話、チハヤ、アラタ、タイチの主要な登場人物が全員美男美女なので、現実感に欠けるという気もする。映画の主人公は美男美女でなければいけないのか、もっと現実的に、ブサイクが主人公である映画ではいけないのか。
でも、それじゃ、誰も観客として見に行かないな。
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