ゼミ生にイラストを描いてもらう。


私はゼミの時間によく小動物の話をする。特に、道でであったミミズ、ヘビ、カエルの話である。ゼミ生の一人(Mさん)が、それではとイラストを描いてくれた。以下のようなイラストである。可愛らしく愛嬌のある姿である。Mさん、どうも有り難う!

ミミズ、ヘビ、カエル

実は、私は毎日これらの小動物と向き合っていると言っても過言ではない。アパートから職場まで時々歩いて通勤する。すると、これらの小動物によく出会う。ちょっと哲学的に考えることもある。

この時期、カエルが夜ゲロゲロ鳴いている。そして、田んぼの水を張った中で、小さなオタマジャクシが泳いでいる。本当に小さなオタマジャクシである。自分はよく立ち止まって、じっと、オタマジャクシの動きを観察している。生まれたばかりのオタマジャクシ、すべてが新鮮で何から何まで驚きであろう。小さな世界、せいぜい10センチほどの水の世界の中で懸命に動き回る。

自分自身をオタマジャクシに投影してしまう。10センチほどの深さの水の中を泳ぐ自分を想像する。仲間のオタマジャクシと出会う。アメンボであう。稲の茎のそばを泳ぎ回ってみる、稲の茎は緑色の不思議な物体と知覚するのだ。

しばらくすると、小さなカエルに成長して、そして田んぼから飛び出してくる。悲劇はその時から始まる。田んぼの横の道だが、けっこう車が通る。道を歩いていると時々若いカエルのペタンコになった姿を見る。これは自分にとっても辛い。

それから、田んぼが埋め立てられて、そこに住宅や建物が建つのを見るのも辛い。よく収穫が終わった後の秋に工事が始まり。数か月で建物が完成する。冬眠をしているカエルたちは、地表に出る可能性が永遠になくなり、冬眠から永眠へと、変化する。

ミミズだが、地下に静かに生きている。ミミズは何を食べているのか?腐葉土を食べるそうだ。雨が降ると、酸素を求めて地表に出てくる。その時に、セメントやコンクリートの上に出てしまうミミズがいる。雨が上がると、もう土には戻れない。私は歩いているときに、雨上がりに土に戻ろうと悪戦苦闘しているミミズを見ると同情してしまい、よく指でつまんで、土に戻すことがある。しかし、too late で、乾燥してひからびたミミズを見ることも多い。

ヘビとは、これは滅多にあわないのだが、それでも月に1回ぐらいはヘビと出くわす。ヘビは無謀にも、コンクリートの道上にたむろしている。この道は車が通る道なのだ。ヘビに「安全な草むらに戻れ」と言いたい。しかし、ヘビはのんびりとしている。そんな時は、自分はたいていは、道ばたの棒きれを拾って、ヘビを叩いて草むらに追いやる。ヘビは恨めしそうな目で私を見ているが、私の真意を分かったら、ヘビは感謝するはずである。

イラストの小動物たちは可愛らしい。そして楽しそうな顔をしている。でも、現実の世界はけっこう厳しい。草むらの中でも、生きるか死ぬかの激しい戦いを小動物たちは繰り広げているのだ。ヘビはカエルやオタマジャクシを食べる。カエルはミミズを食べるのか?

イラストの中の平和な世界と現実の厳しい世界の対比を考える。現実の世界は厳しくてシビアであるがゆえに、人間の想像力が作り上げる世界(それは、童話の世界、絵本の世界、イラストの世界)はあくまでも美しく、調和がとれた世界であるのだ。

 

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