マーラーの「復活」を聴いている。


ボーナスが出たので、ささやかな贅沢と思い、CDショップに行って、3枚ほどクラシックのCDを購入した。合計で 4,700円ぐらいだ。マーラーの復活、シューマンとグリークのピアノ協奏曲、ベートーベンのピアノソナタである。

音楽を聴くのは、もっぱら車の中だけである。車を運転しながら音楽を聴くのが一番リラックスできる。

普通の交響曲は第4楽章までしかないが、マーラーのこの曲は長い曲で(約80分)、どうも第5楽章まであるようだ。一回のドライブで聴き終わることはない。ドライブが終わると曲も中断して、次の日に運転すると、途中から再開ということで、三日ほどかけて聴いた。

格好いい曲である。特徴は重くて暗いイメージだ。ドイツの音楽は観念的で思弁的と言われるが、その典型みたいな曲である。冬の寒い日に聴くには、相応しい。

石川県に住んでいた頃は、車で通勤していた。北陸の冬は寒くてよく雪が降る。雪の朝、職場に向かうときは、一面が雪景色で、その壮麗さに感嘆したものだった。そんな時は、よくロシアや北欧の音楽を車内でかけて楽しんだ。チャイコフスキーの交響曲4番、5番、シベリウスの交響曲1番などは雪の景色によく似合っていた。

あの頃は、自分は40歳前後だ。今と比べるとまだ若い頃だった。まだ、音楽に関する感受性も強かったのだ。その頃と比べると自分の今の趣味はもう少し素朴な曲、バッハなどを好む。

さて、人が一番感受性が強くて、音楽なども心から感動できるのは、20歳前後ではないか。この時期に聴いた曲は一生の宝物になるだろう。自分があの頃、聴いたのはドラマティックな曲が好きで、ブラームスの2,3,4番の交響曲、マーラーの巨人、シベリウスのヴァイオリン協奏曲、ベートベンのクロイツエルソナタや月光、熱情などのピアノ曲などが好きだった。

今でも好きだが、その曲自体が好きというよりも、その当時の自分、若かりし頃の自分を思い出して懐かしくなるという方が正確だろう。今は、若い頃の鋭い感受性は薄れたが、それでもある程度は曲を楽しむ力は残っている。

今の自分の年齢、60代の後半だが、死について常に意識せざるを得ない。マーラーの復活は後半の楽章では、「復活」をテーマにした歌詞が歌われる。

生まれ出たものは、必ず滅びる。
滅びたものは、必ずよみがえる!

「よみがえる」か!? 自分は死んだらそれでお終い、永遠の無だ、と思っている。「滅びたものは、必ずよみがえる」という文言などを聴くと何をたわけたことを言っているのかとイライラしたものだったが、最近は、そんなこともあるかなと思ったりもする。そうなればいいな、という感覚になったようだ。

さて、今日は天気がいいので、徒歩で職場まで通勤する。寒いので防寒には気をつけよう。「滅びたものは、必ずよみがえる」、本当かな?

pixel2013 / Pixabay

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