驟雨

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今日の帰りは歩いて帰った。研究室を出るときには小雨が降っていた。朝は天気は良かったので、意外な気がしたが、傘をさしてアパートに向かう。雨が降っているせいか、ところどころカエルが飛び跳ねている。私が歩くとその音に驚いてカエルは田んぼに飛び込んだりする。

途中までは良かったのだが、急に雨が激しくなってきた。そしてまるで暴風雨のように強い雨だ。そして風も強まった。これは驟雨(しゅうう)と呼ぶのだろうか。そんな中、何とか写真を撮る。

写真だと素っ気ない感じだ。この写真からは、特に風が強いとも雨足が早いとの現象が読み取れない。写真だととにかく何か大事なものが、人間の皮膚が感じた温度・風・水量が表現できない。それにはやはり絵画があるのだと思う。

激しい風と雨

傘が飛ばされそうで、ズボンは水浸しなので、自分にとって厳しい雨であった。そう、広重にそんな強い雨を思わせる絵があった。

広重 『東海道五十三次』庄野

このような絵画、版画であれば、その雨の強さが感じられる。この辺りが写真と絵画の違いであろう。絵画には人間にアピールする強さがことなる。

さて、雨が強い雨でびしょ濡れになったので、途中で公民館をみつけたので、そこの軒先を借りる。スマホで調べると30分ほどで小降りになるようだ。30分ほど経つと雨も止んできて、10分ほどすると晴れた空も見えてきた。先ほどの土砂降りが信じられないほどだった。

こんな雨を驟雨というのかと思ったりした。吉行淳之介には『驟雨』という小説があり、読んだことがあることを思い出した。突然、何の脈絡もなく、そんな50年ほど昔のことを思い出した。どんな小説だったかな。若さとダンディさを売り物にした吉行淳之介も物故してしまった。時間は確かに過ぎてゆく。

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