ノーベル賞を吉野彰氏が受賞した。


昨日のニュースで、ノーベル化学賞を吉野彰氏(旭化成名誉フェロー)が受賞したと発表があった。このところ、日本人が毎年のようにノーベル賞を受賞する。日本の科学技術も大変な水準に達したものだと思う。

いまから、25年ほど前、私はある英語会話教室で勉強していた。その日の話題に、日本ではなぜノーベル賞の受賞者が少ないのかという話題が上った。その当時は日本人のノーべル受賞者の数は少なかったが、日本の工業製品は世界をあふれていたので、そのギャップが不思議だと皆思っていたのである。

ある人は、日本人は英語が不得意で、自分の研究成果を国外に発信できないからだと言った。ある人は、日本人は応用科学(applied science) ではめざましい活躍を示しているが、基礎科学(pure science) では遅れている。西洋の科学を単に借りて応用しているだけだ、という意見がでた。その日の英会話教室では結論は出なかったが、日本はpure science が遅れているという言葉が印象に残った。

今は、何か逆になったようだ。かって世界を風靡していた工業製品は売れなくなり、中国と韓国の製品が世界にあふれている。ただ、基礎研究の分野ではようやく成果が出始めている。多くは、今から20年前に研究されたことが、現在認められている。吉野彰氏も25年ほど前に研究したリチウム電池の成果が今認められたのである。ノーベル賞にはタイムラグがあるようだ。

現在の日本では科学技術の研究はどうであるか。若手研究者達は働く場所が見つからない。ようやく大学にポジションを得ても、雑用ばかりで研究に専念するだけの時間的な余裕はない。劣悪な環境下にある。政府は、理系の有望な若手研究者には安定して働ける身分を与えて、またそれだけに没頭できる環境を提供すべきだ。そして資金も与えるべきだ。

これからは、日本人のノーベル賞の受賞者の数も減って、中国や韓国の研究者がノーベル賞をたくさん受賞する日が来るだろう。没落する老大国ー日本ーとなりそうだ。

fill / Pixabay

 

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