市民大学講座

2016-07-15

明日、市民大学講座で観光について講演をする。それで、岐阜県の観光についてこの数週間調べていた。岐阜県の自然については有名であり、あまり語る必要もないようだ。

北アルプスのある飛騨山脈や白川郷などは雄大な自然、伝統的な村落など、語り尽くされた感じがする。岐阜県の自然について、歴史という観点から語った本はあまりないようである。しかし、私が思うには、岐阜の魅力の一つは自然と歴史の強い結びつきである。岐阜というか、美濃が歴史の中心になったのは、戦国時代である。斎藤道三の稲葉山城、織田信長の岐阜城、は岐阜駅から近いところにある。これらが観光の目玉になる。

岐阜駅からバスで10分ほどで、岐阜公園に到達する。岐阜公園の入り口に信長が馬から弓矢を放つ銅像が建っている。そして、公園内のロープウエイに乗って金華山に登るのだ。ロープウエイの終点からさらに岐阜城まで10分ほど歩く。

狙うは天下統一か

狙うは天下統一か

そんなに大きな城ではない。しかし、山が険しいので、城攻めはどうしたのか不思議に思う。籠城しても包囲されたら水や食料もそんなに蓄えておくことはできないだろうから、すぐに陥落か。

などと、考える。要は斎藤道三や織田信長の気持ちになってこの城のあたりを動き回ることだ。眼下の景色は美しい。歴史と緑豊かな自然、見事な結びつきだ。そして、その時の感想や歴史的なできごとを市民大学講座で語ればいいのだろうと思う。

岐阜県にはあと忘れてはいけないものに関ヶ原がある。私は京都と岐阜を往復するので、何回か途中下車して関ヶ原を訪問してみた。外国人観光客をつれて関ヶ原へ行ったら、外国人観光客は退屈するだろう。つまり、何もないのだ。野原と石碑が数カ所にあるだけだ。

日本の歴史を知っている人だけが関心を持つのである。関ヶ原の戦いを知っていれば、何の変哲もない畑や野原の上を駆け巡る武将、侍、槍持ち、足軽たちの雄叫び、大地をとどろかす足音、刀の触れ合う音、などが聞こえてくるような気がする。そして、うっすらと目を閉じると、まぶたに兵たちの姿が浮かび上がるー幻視者に自分はなるのだ。

戦国時代は関ヶ原の戦いで終った。これ以降、岐阜県から日本の歴史を動かすできごとはなくなった。時代を動かす力は江戸・東京に移ったのだ。

そんな話を市民大学講座で話したい。岐阜の自然を歴史という視点から語ること、そうすれば、自分の講演に何かユニークさが生まれて聴衆も喜んでくれるのではないか。

関ヶ原古戦場址

関ヶ原古戦場址

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