木曜日に中国人の先生の授業の手伝いをした。先生は日本に半年ほど滞在する。中国の提携している大学からの派遣教員として来年の3月まで書道や篆刻、水墨画を教える。先生は英語は堪能だが、日本語はまだ不十分なので、英語の教員が交代で授業の時に通訳をしている。
木曜日は、篆刻の授業であった。学生は石の上に文字を書いている。文字を書き上げたら、今度は印刀(いんとう)で彫り始めるのだ。「彫る」は carve, chisel などを使うのだろうが、二人の間でのコミュニケーションが上手くいかず、何だか dig を使って「彫る」の意味を互いに伝えるようになった。
ある学生はすでに文字を書くのは終了して彫り始めている。ある学生は何回もやり直しとなり、文字を消して書き直すのである。見本となる文字があり、それを鏡に映して右左を逆転させた画像に合わせて、石の上に文字を書いていくのだ。すると印鑑として押したときは逆転して正常の文字の向きになる。
先生の方針は、見本は徹底的に真似をすることという方針だ。Don’t be free. と言って、ちょっとしたでこぼこまでも徹底的に模倣することを要求する。徹底的に模倣した後に、その段階を踏まえた後に、独特のクリエイティブな段階があるようだ。
先生は授業の合間に時々中国の様子を教えてくれた。岐阜県に来て空気がきれいだとおっしゃっていた。中国は暖房で石炭を燃やすので空気が汚れるようだ。また、水は必ず沸かして呑むようだ。日本のように水道から直接呑むのは無理のようだ。
学生たちはこの近くの紅葉のきれいな場所をいくつか教えていた。先生はその住所を手帳に書き留めていた。今度の日曜日でも訪問してみたいとおっしゃっていた。
さて、学生たちは来週から全員が彫り始めるのだ。遅れている学生も自宅で文字を書き上げて、来週は一斉にそろって彫り始める予定だ。
来週からは、学生は以下の画像のような装置に石を挟んで彫り始める。この装置は篆刻台という名前である。
細かい木片を挟み入れて石を固定するのだ。なお、中国では、細かい木片は使わないで、両側からのねじを回して固定するそうだ。自分は来年まで先生の授業の手伝いをする予定なので、印鑑がどのように的上がっていくか報告をしたいと思う。
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